Technical Diving

テックダイバーのQ&A

リクレーショナルダイビングとどう違うのですか?
リクレーショナルダイビングは、オープンウォーターで、減圧停止が必要ない時間まで、そしてトレーニングを受けた深度または最大40mまでの範囲で水中世界を楽しんでいることはすでにご存じですね。
テクニカルダイビングとは、それらの限界を超えたダイビングを指します。40mを超える大深度や強いストレスのかかるケイブや沈船内探検のために、窒素酔いなどの高圧ガス酔いを避ける目的で混合ガスを使い、また減圧を効果的に行うために高い酸素濃度のエンリッチドエアや酸素を使用します。またその目的にかなった器材を用意して使います。
したがって従来のリクレーショナルダイビング以上の深い知識と高いダイビング技術が求められますが、目的が「楽しみ」という点ではリクレーショナルダイビングと変わりありません。最近では、テクニカルダイビングは「先進的なリクレーショナルダイビング」という意味を込めて「アドバンスドダイビング」とも表現されています。

危険はないのですか?
リクレーショナルダイビングの限界を超えるダイビングなので、限界を超えた部分のリクスは当然上がります。シーポイントでは、それらのリスクに対応できる知識とスキルを開発する、豊富でしっかりとしたテクニカルトレーニングプログラムを用意しています。またテクニカルダイビングを行うには経験がとても重要で、そのためのツアーを国内はもとより海外へのツアーも用意しています。
前項のQ&Aとも関連しますが、テクニカルダイビングで学んだ知識と磨かれたダイビング技術を応用してこれまでのリクレーショナルダイビングを行えば、さらに安全性が上がり、余裕持ってダイビングを楽しめることは簡単に想像できると思います。

テクニカルダイビングにはどのような種類があるのですか?
主に3つの分野のダイビングが一般的です。40mを超える深度に潜るディープダイブ、歴史的なレックへの探訪、水中洞窟を訪れるケイブダイビングなどです。流氷の下を潜るアイスダイビングも対象に数えられますが、シーポイントでは、国内では主に伊豆半島や沖縄、小笠原、国外では東南アジアでのディープダイビングやレックダイビングを楽しんでいます。
また、器材の面からみると、リクレーショナルダイビングで使っているスクーバ(自給気式呼吸装置)と同じオープンサーキットが主流です。
当初は商業潜水や軍事目的に開発された、リブリーザーというダイバーの呼気を再利用するSCR(半閉鎖式再呼吸装置)やCCR(閉鎖式再呼吸装置)というクローズドサーキットシステムを使うテクニカルダイビングもありますが、これらのシステムは、呼吸ガス消費が少なく済み深度が変化しても酸素分圧を固定でき減圧に有利なことなど、利点も多いのですが、オープンサーキットに比較して、取り扱いや作動原理が複雑です。
シーポイントでは、限界を超えるとは言ってもリクレーションが目的のテクニカルダイビングを扱っているので、現時点ではこれらの器材を使うプログラムを提供していません。しかしテクノロジーの進歩によって、近い将来、今以上に安全で簡便、信頼性の高いSCRやCCRが登場することを期待しています。

ダブルタンクは重いのではありませんか?
重いです(笑)。オープンウォーターダイバーコースで学習したように、水中での安全原則に「中性浮力が大切」ということにダブルタンクであっても変わりありません。なので、正確に言えばダブルタンクは「陸上では重い」ということになります。
ダブルタンクを使う主な理由は、大深度ダイビングや閉鎖環境でのダイビングの安全を確保する目的で、予備を含めた十分な呼吸ガスを携行し、呼吸器材の故障に備えて独立した2つのレギュレーターを装備するためです。しかし、ご希望があればテクニカルコースの最初のプログラムでは、2つのレギュレーターを取り付けられるH型バルブの「シングルタンク」でコースを行うこともできます。
初めてダイビングのコースに参加した時のことを思い出していただければ、きっとコースの最終日には、すっかりダブルタンクに慣れてダイビングに集中しているご自分の姿を想像していただけると思います。
 
タンクを何本も使用すると聞きましたが?
はい。通常ダブルタンクを使うので2本ですが、多い時は5本持つこともあります。必要に応じて減圧用に1本か2本、さらに大深度潜水やケイブへの長時間ダイビングのためにステージタンクを追加して使います。
もちろん減圧タンクやステージタンクは、水中では充填時でも「中性に近い浮力」となるアルミタンクを使うのが世界的なテクニカルダイビングの標準なので、水中での重さや浮力に多大な影響はありません。
これらのタンクには種類の違うガスを充填し、その理由は、潜水時間を延長させ、また高圧ガス酔いを軽減するためのもので、減圧には酸素濃度の高いエンリッチドエアや酸素を用意し、これらは体内に溶け込んだ窒素を効果的に排出するために使います。
また、たくさんの減圧タンクやステージタンクを携行しなければならない場合、水中で中世浮力を維持する構造をもったテクニカルダイビング用の水中スクーターを使うこともあります。

特別な器材が必要だと聞きますが?
ある意味ではそうですが、原理的には現在使用しているスクーバ器材と同じものです。
ただし、例えば、テクニカルダイビングではより完全な水平姿勢や中層停止のスキルを求められるので、そのような姿勢や中性浮力コントロールのし易いBCDを選択する必要があります。またレックの内部探訪など閉鎖環境でダイビングを楽しむことを想定し、レギュレーターのセカンドステージのホースを通常より長いものに交換するなどの修正を加える必要が起こります。もちろんこれらの基礎的な情報はコースの中で紹介され、より詳細で最新の情報は、実際の器材の組み立てを通じて学ぶことになります。
シーポイントでは、すべての必要なテクニカル器材を、「コース期間中無料」でお使いいただいています。
  
女性なのですがテクニカルダイビングはできるのでしょうか?
日本ではまだなじみのうすいテクニカルダイビングですが、欧米では1つの分野として確立し成長しています。
国内でもリクレーショナルダイビング同様、女性もテクニカルダイビングに参加しています。実際に、シーポイントのテクニカルダイビングを担当するインストラクターは、すでに何人かの女性ダイバーを教えていて、最近(2009年8月)その中の一人が深度102mに到達するダイビングを楽しみました。

潜水時間が長いと思うのですが、トイレはどうするのですか?
ダイビングの前後に十分に水分を補給することは、減圧症の罹患率を下げる効果があることはオープンウォーターダイバーコースですでに学びましたね。
テクニカルダイビングは特に潜水時間が長くなる傾向があるので、ドライスーツに「ピーバルブ」という排尿機能を設けて使います。もちろん男性用も女性用も用意されていますので安心してください。